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FINLAND'S CHRISTMAS

Vol.9 木村さんお気に入りのクリスマスグッズ

ここでは私が持っているクリスマス飾りの中からいくつかご紹介したいと思います。

キリスト降誕のときの様子(馬小屋など)をジオラマや模型、人形で再現した飾りをクリブと呼びます。フランシスコ修道会の創始者・アッシジのフランチェスコが始めたとされています。最初(1223年)は信者に扮装させ、降誕の様子を再現する一種の降誕劇でしたが、のちに等身大の模型を作りその代わりにしたとのことです。今では家庭でも小型の市販のものをアドヴェントの時期から飾ります。欧米ではクリスマスツリーと異なり使い捨てではなく、代々受け継いでいくものとのことです。
初期のクリスマスツリー(マイエ)につけたオーナメントは、たとえばフライブルグの1773年頃の記録を見ると「クッキーなどの菓子、リンゴ、彩色された木の実、色紙、金箔飾り」と、詳しく書いてあります。これらオーナメントのうち食品がその大部分を占めているわけですが、当初、オーナメントは食べるために付けられていました。クリスマスツリーを子供たちが揺すると、色々な食べ物が「ギフト」として降ってくるという仕組みです。また食品などを飾ることで豊穣を祈願するというローマ時代からの古い習慣も影響したのでしょう。19世紀になるとリンゴの代わりにきれいなガラス製の飾りだまが使われるようになりました。
クリスマスにはジンジャークッキーが良く食べられますが、そのほかに家の形をジンジャークッキーで作り飾ることもあります。ではなぜクリスマスとクッキーという取り合わせが生まれたのでしょう。実は欧州では、いつもは発酵パン(普通のパン)を食べる地域でもハレの日には無発酵パン(クッキーもその一種)を作る風習があったのです。これは昔の頃の習慣にのっとり祭りを行うため、原始的な形のパンである無発酵パンをクリスマスのようなハレの日に作るというふうに説明されています。
トントゥは既にご紹介したように、もともとキリスト教とは関係の無いキャラクターです。でもキリスト教が普及するまでは北欧では冬至祭の主要キャラクターとして知られたいました。また今ではサンタクロースの助手としてクリスマスにはなくてはならない存在になりました。そのようなことから、フェルトや木、陶製など色々な材料でトントゥの人形が作られています。写真の人形はサンタクロース村があるロヴァニエミの土産物屋の店先で売っていた、いかにも郷土色の強いシンプルな人形です。
北欧では藁製のヤギの人形やオーナメントなどを飾る習慣があります。また麦わらで作ったモビールのような飾りのことを「ヒンメリ」といいます。もともと中欧や北欧では藁を束状にしたものを棒に付け地面に突き刺して飾るという習慣があり、次の年の収穫を願うのではないかといわれています。そのような事から、藁製の飾りが発達したのでしょう。中でも麦わらで作ったクリスマスリースは日本のわら製の正月飾りと非常に似たところがあり興味深いです。

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